この度、第5回ヒストリックカーランフェスタin 岩手 『ツール・ド・みちのく2014』を開催する運びとなりました。1990年までに生産された国内外の自動車が、秋の盛岡手づくり村をスタート地点とし安比高原を経由、昨年大ブレイクした「あまちゃん」のロケ地久慈市にて折り返し平庭高原より南下、宮古市R106道の駅やまびこ館へ抜けて手づくり村に戻る約400kmを2日間にわたって走る東北で唯一のクラシックカーラリーです。
元々ヨーロッパでは1930年代から70年代にかけて都市間を結ぶ公道レースが盛んに行なわれていました、ヨーロッパ中の自動車メーカーや有力なレーシング・チームがこぞって参加し、歴史に名を残す有名なドライバーを排出し人々は熱狂しました。大戦や事故など様々な理由でレースは廃止されたものの、世界中のクラシックカー愛好者の間で復活を果たしています。それは以前の様な最新の車の性能を競うレースとしてではなく当時の車の魅力を後世に残すものとして都市間を走っています。競技はスピードではなく指定された区間を設定時間でいかに正確に走るかで行われます。
日本でもここ約30年前よりヒストリックカー愛好者による公道ラリーが開催され始めました。それはかつての日本では見ることの無かったクラシックカーイベントです。長い歴史に培われ大切に保存されてきた名車たちが、単に車庫や博物館のなかで眠るのではなく、私たちが日頃見慣れた景色に現れます。その感動をここ東北の地にももたらしたいと考え、2007年より開催しました。
当イベントはどなたでも気軽に参加できるようクイズラリー形式をとり、県内外の方に東北の素朴な風景を思い存分楽しんでもらおうと半ば観光ラリー的な内容になっています。400kmと言えば現在の自動車には何でも無い距離ですが、今から20年以上経過した車達にとってそれは大冒険です。やむを得ず途中で止まってしまう車がいるかもしれません。
年々クラシックカーを取り巻く環境が厳しさを増しています。ハイブリット車に買い換えるのもエコですが使い捨てずに何十年も直して乗る、これもひとつのエコロジーです。そんな古い車をがんばって維持し続けるオーナー達の年に1度のお祭が「ツール・ド・みちのく」です。岩手には馬を主役とした伝統行事があると同じく、日頃車庫に眠らせている事の多い車達を奉納こそしませんが、なだめいたわり自動車本来の目的に則って走らせます。
また沿道にお住まいの方々にも古き良き時代の名車達の元気に走る姿をお目にかけたいと考えています。今年春SLが復活し地元を元気にしています、昭和の車にもそんな力があると信じています。中には世界的文化遺産と言えるような貴重な車両あり、走る自動車博物館として是非その姿、音、臭いを直に感じ取って頂き、欧米同様“自動車文化”として広く社会に認知される事を願います。
貴重な車輌で遠路遙々ご参加頂きましたエントラントの方々を始め、この主旨にご賛同頂き会場をご提供頂きました盛岡手づくり村様、御協賛、御協力、御後援頂きました皆様に厚く御礼申し上げます。
2014年9月13日 ツール・ド・みちのく実行委員会